heart2019改 の ECG-001 〜 ECG-315 まで移転です。

Cardio2012のECGブログ(from ココログ)よりのインポートです。

EC-255:answer

   発作性心房細動で、ER受診となりました。脳塞栓後遺症を持つADL自立の方です。

  洞調律には、数日で自然に戻っています。

  この心電図は、極めて変!な感じはないですよね。所見は、

 

  • CCWRを示す。
  • QRS内に、notchが多い。
  • 一応CRBBBとなるが、なんかちょっと違う。
  • この心電図だけでは、ポンと診断名は出てこないです。

 胸部レントゲンを見てみましょう。

◎心陰影では、左第2弓が、突出しています。

◎右肺動脈も拡張しています。

◎心陰影・左第4弓の緩やかなカーブでの突出は、右室拡大も示唆します。


Ecg255web



  これらを併せて、

→ Pafが起きるのは、心臓に何か問題があるのか?

→ QRSのnotchは、やはり心筋障害を提示しているのか?

→胸部レントゲンは、右心負荷を推定させる。

  この症例では、心エコー図検査は必須ですね。

**左室長軸断層図**

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**左室短軸断層図**

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** 4 chambers view **

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** 心窩部アプローチのカラードプラ **

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  明らかな右心系の拡大を、心エコー図から読み取れます。

 心窩部からのアプローチで、心房中隔欠損よりの(右房→左房)への短絡血流が認められます。

  なお、心尖部アプローチの(4 chamber view)では、心房中隔が欠損しているように見えますが、これは心エコービームと薄いしんぼうちゅうかくが並行しているからで、ASD診断は無理筋となるので、ご注意下さい。

 本当は、胸部レントゲン所見 + 聴診(収縮期雑音が胸骨右縁で、II音の明瞭な分裂とII P音の亢進)で、事前診断すると格好いい!!のですが、私が見たのは心エコー診断後でした(-_-;*)。