EC-255:answer
発作性心房細動で、ER受診となりました。脳塞栓後遺症を持つADL自立の方です。
洞調律には、数日で自然に戻っています。
この心電図は、極めて変!な感じはないですよね。所見は、
- CCWRを示す。
- QRS内に、notchが多い。
- 一応CRBBBとなるが、なんかちょっと違う。
- この心電図だけでは、ポンと診断名は出てこないです。
胸部レントゲンを見てみましょう。
◎心陰影では、左第2弓が、突出しています。
◎右肺動脈も拡張しています。
◎心陰影・左第4弓の緩やかなカーブでの突出は、右室拡大も示唆します。
これらを併せて、
→ Pafが起きるのは、心臓に何か問題があるのか?
→ QRSのnotchは、やはり心筋障害を提示しているのか?
→胸部レントゲンは、右心負荷を推定させる。
この症例では、心エコー図検査は必須ですね。
**左室長軸断層図**
**左室短軸断層図**
** 4 chambers view **
** 心窩部アプローチのカラードプラ **
明らかな右心系の拡大を、心エコー図から読み取れます。
心窩部からのアプローチで、心房中隔欠損よりの(右房→左房)への短絡血流が認められます。
なお、心尖部アプローチの(4 chamber view)では、心房中隔が欠損しているように見えますが、これは心エコービームと薄いしんぼうちゅうかくが並行しているからで、ASD診断は無理筋となるので、ご注意下さい。
本当は、胸部レントゲン所見 + 聴診(収縮期雑音が胸骨右縁で、II音の明瞭な分裂とII P音の亢進)で、事前診断すると格好いい!!のですが、私が見たのは心エコー診断後でした(-_-;*)。
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