ECG028:answer
CG028:83才男性。昔CABG歴アリ。経時的心電図変化。
最初の心電図(夏)は、
*CRBBB、NSR
*V1左房負荷?(あんまり深く捉えない、ボクは)
*II, III, aVF に、明らかな異常Q波とST上昇とT陰転。まとめれば、陳旧性下壁梗塞ですね。
*胸部誘導では、notch, slurが多発し、波形がきたない。心筋障害多いような気がする。
まあ、CABG(coronary artery bypass graft)後ならは、しかたないかも、しれません。
数ヶ月後の次の心電図(秋)です。
*全誘導の振幅が減っている。心筋が電気的に、元気が無くなっている。
*V1,2のrR'のr波が無くなっている。V3,4は、QS pattern化している。
⇒前壁中隔の大きな梗塞が、発生している。
⇒V5,6や側壁の起電力低下も合わせると、広範囲前壁とするべきか、するべきでしょう。
*II, III, aVF のQ波が、目立たなくなったのは、単に綱引きしていた前壁の起電力低下によるもの。
⇒下壁が元気になった訳ではない。
もし、認知症がなくて、活動性の高い患者さんならば、大変な騒ぎ(医療側が)なっていたはずです。
この大嵐も、誰にも知られずに、通りすぎたのでした。