ECG-057:answer
ECG-057:82才男性。慢性透析患者の胸痛でした。
僕たちは、パターン認識で、日頃は心電図を読み飛ばします。
あっこれは、アレね。と瞬時に判断しています。(時間節約できますね)
でも、この方法の欠点は、知らないパターンに出会うと、思考が竦んでしまうことです。
でも、大丈夫。
ひとつづつ、解決していきましょう。
(1). いろんなP波があるけど、とにかく心房調律です。
(2). wide-QRSは、CRBBBである。
⇒ QRS幅は、十分に広いから、脚ブロック。(1). だから、VTじゃないよ。頻脈じゃないし。
⇒V1で、RR'となっている。
⇒ V5,6で、幅広いS波がある。
(3). II, III, aVFに、陰性 T 波がある。(でも、主役じゃなさそうですね)
* 一番変に感じるのは、V1-3のST上昇なんです!!
CRBBBとして、話が合いません。(通常は、この部分は陰性T波になります)
それが、何か変な感じだったんですね。
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この症例は、胸痛で来たんです。
素直に、ACS(STEMI)と、考えましょう。
〔STEMI:ST-segment elevation myocardial infarction〕
LAD Seg-7の病変を、苦労してPCIしています。透析患者さんの血管は堅いんです。
発症前の心電図です。
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慢性期の心電図です。
この症例では、CPK上昇の1,000程度で、心エコーでの収縮機能もよく保たれました。
Q波は、V1でしかはっきりしませんね。
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