heart2019改 の ECG-001 〜 ECG-315 まで移転です。

Cardio2012のECGブログ(from ココログ)よりのインポートです。

ECG-057:answer

 ECG-057:82才男性。慢性透析患者の胸痛でした。

 僕たちは、パターン認識で、日頃は心電図を読み飛ばします。

 あっこれは、アレね。と瞬時に判断しています。(時間節約できますね)

 でも、この方法の欠点は、知らないパターンに出会うと、思考が竦んでしまうことです。

 でも、大丈夫。

 ひとつづつ、解決していきましょう。

(1). いろんなP波があるけど、とにかく心房調律です。

(2). wide-QRSは、CRBBBである。

   ⇒ QRS幅は、十分に広いから、脚ブロック。(1). だから、VTじゃないよ。頻脈じゃないし。

   ⇒V1で、RR'となっている。

   ⇒ V5,6で、幅広いS波がある。

(3). II, III, aVFに、陰性 T 波がある。(でも、主役じゃなさそうですね)

* 一番変に感じるのは、V1-3のST上昇なんです!!

  CRBBBとして、話が合いません。(通常は、この部分は陰性T波になります)

 それが、何か変な感じだったんですね。

E057v13_2

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 この症例は、胸痛で来たんです。

 素直に、ACS(STEMI)と、考えましょう。

 〔STEMI:ST-segment elevation myocardial infarction〕

 LAD Seg-7の病変を、苦労してPCIしています。透析患者さんの血管は堅いんです。

 発症前の心電図です。

E0570687857282mny20100317

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 慢性期の心電図です。

 この症例では、CPK上昇の1,000程度で、心エコーでの収縮機能もよく保たれました。

 Q波は、V1でしかはっきりしませんね。

E0570687857282mny20101123

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