heart2019改 の ECG-001 〜 ECG-315 まで移転です。

Cardio2012のECGブログ(from ココログ)よりのインポートです。

ECG-061:answer

 Smoking 20本×20年間。72.2Kg,160cm。脂質異常症(LDL-C=166),糖尿病なし。

 発症後10時間後の心電図です。

● II,III,aVFで、ST上昇と異常Q波を認め、ある程度時間の経った下壁梗塞と 

  考えられる。

● aVLで、ミラーイメージとして、著名なST低下を示している。

● V2,3で、ST低下を示し、後壁の虚血を示唆している。

● リズムの乱れはない。

● 胸部誘導では、基線が揺れており、最後の2心拍分くらいしか判定に使え

ない。

**このように、ERでは患者の苦痛もあり、基線が安定しないこともある。基線が安定しない心電図でのST変化評価は、はっきり云って無理である。数心拍でよいから、基線の安定した心電図をきっちりと撮りましょう**

後下壁の急性期心筋梗塞(STEMI)で、診断はよいでしょう。

発症後10時間経っていますが、胸痛は続いており、ST上昇型ですので、緊急のPCIへ、突入しています。

RCA Seg-2 totalへのPCIを、緊急に施行している。

◎ Seg1:75→0%  ビジョンステント 4.0×9mm

◎ Seg2:100→0% ビジョンステント 4.0×30mm TIMI3

 40才未満男性でのACSは、1〜2%と、以外と少なくない。

 100人PCIすれば、1〜2人いる訳である。

 脂質異常症か Heavy-smokerが多い。またはMets。これらのちゃんぽん。

 側副血行路が発達していないためか、LADがらみだと、ショック症例も多い。

 プロサッカー選手の例を挙げるまでもなく、喫煙は、若年者でも強力な冠危険因子なんです。

注:8/21夕方、下記画像を入れ替えました。(間違っておりましたのでm(_ _)m)

ACS,pre-PCI

E061rca_total

ACS,post-PCI

E061rcapostpci