ECG-061:answer
Smoking 20本×20年間。72.2Kg,160cm。脂質異常症(LDL-C=166),糖尿病なし。
発症後10時間後の心電図です。
● II,III,aVFで、ST上昇と異常Q波を認め、ある程度時間の経った下壁梗塞と
考えられる。
● aVLで、ミラーイメージとして、著名なST低下を示している。
● V2,3で、ST低下を示し、後壁の虚血を示唆している。
● リズムの乱れはない。
● 胸部誘導では、基線が揺れており、最後の2心拍分くらいしか判定に使え
ない。
**このように、ERでは患者の苦痛もあり、基線が安定しないこともある。基線が安定しない心電図でのST変化評価は、はっきり云って無理である。数心拍でよいから、基線の安定した心電図をきっちりと撮りましょう**
後下壁の急性期心筋梗塞(STEMI)で、診断はよいでしょう。
発症後10時間経っていますが、胸痛は続いており、ST上昇型ですので、緊急のPCIへ、突入しています。
RCA Seg-2 totalへのPCIを、緊急に施行している。
◎ Seg1:75→0% ビジョンステント 4.0×9mm
◎ Seg2:100→0% ビジョンステント 4.0×30mm TIMI3
40才未満男性でのACSは、1〜2%と、以外と少なくない。
100人PCIすれば、1〜2人いる訳である。
脂質異常症か Heavy-smokerが多い。またはMets。これらのちゃんぽん。
側副血行路が発達していないためか、LADがらみだと、ショック症例も多い。
プロサッカー選手の例を挙げるまでもなく、喫煙は、若年者でも強力な冠危険因子なんです。
注:8/21夕方、下記画像を入れ替えました。(間違っておりましたのでm(_ _)m)