heart2019改 の ECG-001 〜 ECG-315 まで移転です。

Cardio2012のECGブログ(from ココログ)よりのインポートです。

ECG-065:answer

 ECG-065:85才女性です。
 自宅でのCPA発生するも、見事な連携で、自発呼吸ありの状況でERまでたどり着きました。PCPS,IABPまで使用しながらの緊急`PCIが成されました。
 RCA,LAD完全閉塞に、LCXの99%狭窄がありました。これに、PCIを施行した後に、DC施行して、洞調律に戻りました。
 
 さて、心電図の読みです。最適解は、

CPAのよる長時間心筋虚血が続いた後の心電図であり、虚血部位の判定を行うのは、無理がある】

 だと、考えます。

 それでも、読んでみると、

◎ 少なくとも、心房調律である。(たぶん洞調律)
◎ 徐脈である。
◎ R波は、全体的に維持されている。但し、波高は低い。
◎ V2-6で、著名なST低下(sagging-pattern)を認める。2相性。
◎ I, II, aVFでもST低下有り、aVRでのmirror image ST上昇あり。

 これを、後壁の虚血とのみ読むか、
 心筋全体に及び、かなりやばい虚血と、読むのか、

 後者の方が、しっくりきます。このsituationでは。
 これがCPA後ではなく、ERにaliveで搬入された胸痛・血圧低下症例ならば、とっても危険なサインです。心エコーで、後壁に局在した障害か、心筋全虚血かは、すぐに判定されるべきです。
 異様な多誘導に渡るST-T変化(一元的に説明しにくい)は、LMT病変や三枝病変で認められ、レッドフラッグが、バタバタと揺れている!
 そんな風景だと、感じて下さい。

 今回のACSの原因病巣(LCX lesion)は一旦治せましたが、残念ながら、数日後に永眠されています。