heart2019改 の ECG-001 〜 ECG-315 まで移転です。

Cardio2012のECGブログ(from ココログ)よりのインポートです。

ECG-087:answer

ECG-087:ASD術後の35才男性の動悸発作でした。

まず解答を。
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AFL、1:1伝導でした。
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 この症例は、血圧低下はあるも、意識が清明ですので、考える余裕が少しあります。ERで、DCを脇に置いて、しっかりと考えてみます。
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◎ 超頻脈です。(280/min.前後)
◎ 洞性頻脈は、却下!(こんなに速くなれない)
◎ となると、PSVT,rapid-Afib、VT(かもしれない)
◎ PSVTとしても、なんぼなんでも、頻拍に過ぎる。。
◎ いくらモニターを見ても、RR不整は、認めませんでした。
◎ でも、こんな頻脈のVTでは、pulseless-VTとなりそう。
◎ もしかして、1:1 伝導の心房粗動、、となります。
 この韓国製のドリンクは、超強力だったようで、交感神経を賦活化して、房室伝導を促進しました。
 Diltiazemの静注を行うも、一旦は rate down しました。
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クリックすると、ECGが拡大します。

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ですが、再度頻脈化しています。DC施行となりました。
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 洞調律復帰後の心電図です。
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クリックすると、ECGが拡大します。

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 この症例での、のこぎり波は、あんまり典型的ではありません。
 手術後は、へんてこなのこぎり波が出現します。粗動波の回転方向が、切開部周辺を回るために、変なんですね。
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のこぎり波の回り方で、
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◎ 反時計方向回転  通常型心房粗動:下むき粗動波
◎ 時計方向回転  非通型常心房粗動:上向き粗動波
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 II, III, aVF で、クッキリとしたのこぎり波が見えたら、通常型と考えていいと思います。
 なお、同じ症例で、粗動波の回転が、逆になることも、あるんだそうです。
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 前も云いましたように、回転方向にこだわっても、御利益有りません。
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 この症例は、ASD術後なので、切開関連性心房粗動(incisional AFL)となります。紹介先でのカテーテル・アブレーション時に、確認されています。
 ムニャムニャした形の・のこぎり波も、あることにご注意!!です。
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