heart2019改 の ECG-001 〜 ECG-315 まで移転です。

Cardio2012のECGブログ(from ココログ)よりのインポートです。

ECG-089:answer

ECG-089:67才男性、上腹部痛&ショック状況でERヘ運ばれて来ました。

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 すぐに、心電図が記録されました。
 これを、瞬間的に、ACSだと判定できることが、ERでは要求されます。
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◎ 頻脈ですが、洞調律です。P波は、II,aVRで明確です。
◎ Wide-QRSは、CRBBBによるものです、でもちょっと変。
◎ V5,6にある幅の広いS波は、CRBBB的に妥当です。
◎ でも、V1,2に r 波がありません。
QR波形となっています。
◎ さらに、ST上昇が、V1-4にあります。
◎ 特にV4は、Box-likeなST上昇です。
ACS(antero-septal AMI) with CRBBBなんですね。
◎ V1の r波がないのは、中隔の梗塞のためです。
◎ 普通は、QS patternになるだけですよね。
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 この症例では、広範囲前壁梗塞に、IVS ruptureのおまけつきで、その後は大変な管理となっています。すぐに近医へ紹介して、CABG & IVS ruptureへのパッチ手術となりました。
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 CRBBBでは、左室の興奮性は、そのまま表現されています。
 その上に、右室の伝導障害が乗っているだけです。
 この症例では、septal-qの消失と、ST上昇がCRBBB上にある訳です。
 この見方が、いったん身につくと、もう迷いません。
 同様のpatternは、すでに、症例16   と コラム02症例57 でご紹介しました。
 これらの心電図を、目で経験されれば、もう大丈夫なはずですよ。
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