heart2019改 の ECG-001 〜 ECG-315 まで移転です。

Cardio2012のECGブログ(from ココログ)よりのインポートです。

ECG-098:answer


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 ACSです。

 Acute antero-septal MIの症例でした。
 この心電図を素直に読んでみます。
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◎  洞調律。電気軸は正常です。電気軸も正常です。
◎  Poor R Wave Progression(PRWP)様。
   でも、よく見ると、V3=QRで、Reversed R wave Progression(RRWP)です。
◎ V1-3のSTは上昇し、T波の後半は陰転化しています。
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 この心電図のみで、急性か、亜急性かは、判断しにくいです。
 ですが、この症例では、半日続く狭心痛が有り、心筋酵素の上昇を認めました。また、ERでのちょいあて心エコーでは、前壁中隔の壁運動障害が、認められました。
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 典型的なLAD-ACSです。
 ERからの緊急心カテ出しとなりました。
 PCI前の冠動脈造影所見です。
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E098precag

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 しかし、いろいろあって、shock状態となり、挿管・IABP導入となりました。

 その時の心電図です。

E098lmt

 V3-6, I, II, III, aVF で著名なST上昇を示します。

 LMTレベルでの血栓性閉塞が発生していました。

 RCAが血流を保っても、心尖部を回るLADまたは大きなLcxの血流欠損では、このように、II, III, aVFで、ST上昇を来すことは、よくあります。Lcx病変もあるので、I 誘導のSTも上昇しています。

 LMT病変の場合には、wide-QRSになったり、異様なST低下を示したり、訳の分からない心電図になることも、しばしばです。

 この後、すさまじい戦い(術者の頑張り)があり、下記の様に安定した状況に復帰して、緊急PCIを終了して、ICUへ入りました。

E098pci

 その後、経過は良好で、一般病棟へ退室しました。

 みんな、ほっとした症例です。

 でも、その後の展開もありました。ECG-099へ続きます。

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