ECG-098:answer
(↑ ポチッとよろしくお願いします)
ACSです。
Acute antero-septal MIの症例でした。
この心電図を素直に読んでみます。
.
◎ 洞調律。電気軸は正常です。電気軸も正常です。
◎ Poor R Wave Progression(PRWP)様。
でも、よく見ると、V3=QRで、Reversed R wave Progression(RRWP)です。
◎ V1-3のSTは上昇し、T波の後半は陰転化しています。
.
この心電図のみで、急性か、亜急性かは、判断しにくいです。
ですが、この症例では、半日続く狭心痛が有り、心筋酵素の上昇を認めました。また、ERでのちょいあて心エコーでは、前壁中隔の壁運動障害が、認められました。
.
典型的なLAD-ACSです。
ERからの緊急心カテ出しとなりました。
PCI前の冠動脈造影所見です。
.
.
しかし、いろいろあって、shock状態となり、挿管・IABP導入となりました。
その時の心電図です。
V3-6, I, II, III, aVF で著名なST上昇を示します。
LMTレベルでの血栓性閉塞が発生していました。
RCAが血流を保っても、心尖部を回るLADまたは大きなLcxの血流欠損では、このように、II, III, aVFで、ST上昇を来すことは、よくあります。Lcx病変もあるので、I 誘導のSTも上昇しています。
LMT病変の場合には、wide-QRSになったり、異様なST低下を示したり、訳の分からない心電図になることも、しばしばです。
この後、すさまじい戦い(術者の頑張り)があり、下記の様に安定した状況に復帰して、緊急PCIを終了して、ICUへ入りました。
その後、経過は良好で、一般病棟へ退室しました。
みんな、ほっとした症例です。
でも、その後の展開もありました。ECG-099へ続きます。
.
(↑ ポチッとよろしくお願いします)
.
.
.
.
.