heart2019改 の ECG-001 〜 ECG-315 まで移転です。

Cardio2012のECGブログ(from ココログ)よりのインポートです。

ECG-102:answer


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ECG-102:46才男性です。ぱっとしない胸部不快発作で、深夜にER受診でした。

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 初回の血液検査でも、問題となる所見なしです。
 症状があるからこそ、ERに来られたのですが、苦悶様の症状でもありません。
 丑三つ時です。。
 ACS否定はできていないので、経過観察を行うこととしました。
 しかし、早朝にモニターに次の波形が出現しました。
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E102vtmonitoe0709785446msm2012123

クリックすると、ECGが拡大します。

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 もう、迷いません、悩みません。

 ACSとして、対応しました。循環器医callです。

 回旋枝 Seg-13の完全閉塞へのPCIを行いました。

 さて、来院時のECGを、もう一度見てみましょう。

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◎ 洞調律です。脈拍数は安定。(70/min.)

◎ I, aVLで、ST上昇にも見える。(後付けの評論家かも?)

◎ II, III, aVFで、若干ST低下。III, aVFで、T波陰転。

◎ III誘導にQ波。

◎ V2-5のST-Tが、なんか変。ちょいST低下ありかも。

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 胸痛+心エコーで後壁の壁運動障害あれば、ACSとして扱うべき。でも、この時点での医師のエコー(=慣れた技師さんではない)では、壁運動障害を、指摘できていません。

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 この症例では、症状にいかに(重み付け)するかでした。もちろん、この重み付けは、半分(医者の感)です。40代の若さですが、高血圧・脂質異常症・喫煙のリスクが多重していました。レッドフラッグが立ちそうですね。

 でも、ですね。

ACSと思ったが、 →GERDだった。

ACSと思ったが、 →アルコール性膵炎だった。

ACSト思ったが、 →二日後に、帯状疱疹が水疱で判明した。

ACSと思ったが、 →不安神経症だった。

 などと云う経験累積後だったりすると、深夜に循環器医師Call(たたき起こす)に、若干のためらいも、そこはかとなく生じることもあります。

 でも、VT出現で、決断がなされました。

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 第10病日の心電図です。

E1020709785446m12thdaysm20121214

クリックすると、ECGが拡大します。

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◎ I, aVLのST上昇は、戻ったようです。

◎ aVFのR波はほとんど無くなりました。

◎ II, III, aVFの陰性T波が無くなり、一見正常化しました。

◎ V2-5のT波が陽性化しています。特にV2,3は後壁の冠性T波かも。

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 比較すると、なんか怪しいけれど、個別に見ると、ピンと来ないかもしれいません。この間に、max-CPK=4818(MB=240)となっております。

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 こういう事もあるのだと、経験されて下さいね。

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