heart2019改 の ECG-001 〜 ECG-315 まで移転です。

Cardio2012のECGブログ(from ココログ)よりのインポートです。

ECG-104:answer

ECG-104:25才男性。突然の胸痛でER受診でした。

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 40才以下のACSは男性では5%内外あります。20例男性のACSを経験したら、1回くらい遭遇する勘定です。でも、20才代はさすがに希です。若年者のACSには、一定の傾向があります。
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◎ 喫煙者であること。
◎ 肥満がある。(Metsが多い)
◎ 糖尿病 or 耐糖能障害がある。
◎ 重度の脂質異常所を持っている。
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 上記を複数持っていることが多いようです。
 耐糖能異常はありませんでしたが、極度の肥満と喫煙そして脂質代謝異常を持っている症例でした。
 Risk-factorを複数持つ男性の場合、胸痛はACSを鑑別の上位に持ってきておく。少なくとも、頭から除外するのは、ダメよ。
 この症例も、当然気胸のR/Oで、胸部レントゲン(喫煙者だし)。心外膜炎の鑑別に心電図でした。まさか、II,III,aVFで、STの上昇・aVLでミラーイメージのST低下が認められるとは。。
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 緊急冠動脈造影で、Seg-1の完全閉塞が確認されました。PCI施行時は、血栓が大量に吸引されています。Max-CPK=1960 U/L, Max-Tn-I=22.4でした。
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 この症例は、年齢を除けば、診断に苦慮しないと思います。少なくとも「循環器科を呼べ!!」までは、すぐたどり着きそうです。
 このような症例に、ERで遭遇することもあります。
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 発症10日目の心電図です。T波の陰転( III, aVF)を認めますね。

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