E117:answer
E117:80才男性。外来患者さんです。
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心エコー所見は、
◎ 下後壁が薄くなっています。
◎ 収縮期の心筋肥厚がありません。(systolic thickningの消失)
◎ 下後壁が動いているように見えるのは、横方向へのひきずりだけです。
⇒正常心筋の収縮に、引っ張られているだけ!
◎ 短軸では、5時-7時方向の壁運動低下を認めます。
⇒障害領域は、結構狭いようです。
◎ 左室径のの拡大はないようです。左房もあんまり大きくない。
⇒Remodelingは、あまりなさそう。
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心電図を提示します。
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クリックすると、ECGが拡大します。
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☆ 洞調律です。
☆ 全体的に、とても落ち着いた心電図です。
☆ III, aVFに、Q波があります。
☆ II 誘導も、R波の小ささを考えると、相対的に大きなQ波でしょうか。
☆ II, III, aVFでの、冠性T波はありません。
☆ でも、II, aVFでは、notchを認めます。心筋障害かも。
☆ V2,3で、R=Sくらいで、T波が元気が良い=鏡像の冠性T波かも。
☆ 急性期には、派手派手な変化を示した心電図も、時間経過で、だんだん穏やかになることがあります。梗塞部がshrinkしてしまうためのようです。PCIの発達も関係しています。
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心エコーで、下後壁の虚血性心筋障害がないか、調べることは、許されると思います。落ち着いているならば、心カテは不要でしょう。消化器の内視鏡手術をするとしても、事前の心カテは、よけいだと思います。釣りに行くほど元気ですから。
毎日、こんな風に心電図を見ています。
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