E118:answer
ECG-118:74歳の女性で、意識障害で搬入されました。
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今年も新たな研修医7人が、入ってきました。
できるだけ、基本に戻った心電図を提示していきます。
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【高カリウム血症による心電図変化】でした。
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◎ P波が無い。
◎ 著名な徐脈。
◎ wide-WRSである。
◎ 胸部誘導のT波が、いわゆるテント上に高い!!
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血清カリウム値は、6.7mEq/dLでした。
著名な脱水状況でした。
認知障害もあり、自覚症状を確認できなかったことが、発見を遅らせたようです。
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○ カルシウム製剤を静注して、カリウムと拮抗させる。
○ 輸液と利尿剤で、尿中にカリウムを排泄させる。
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どの製剤(商品名で覚える)を、どれだけのスピード(時間)で入れるのか。
どれくらいの輸液量を、どれだけの時間で入れるのか。利尿剤は何をどれくらいつかうのか?(症例の状況で、これは異なります。)
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この症例では、高カルシウム血症はあり得ないので、取り敢えず、体表面ペーシングをスタンバイしながら、カルシウム製剤をゆっくりと静注開始していいと思っております。(運が良くても、血清カリウム値がでるのに、15分はかかりますので)
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高カリウム血症を心電図で判断し、治療まで行えて、初めて心電図判読の知識は生きたものになりますよ。
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3日後の心電図で、K=3.8mEq/dLとなりました。その日の心電図です。