ECG-133:answer
ECG133:70才女性。昨日からの下顎部痛と腹痛で、ER受診でした。
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外来医は、ACSも想定し、ECGを急ぎ記録しました。
ACSに間違いなしの、心電図ですが。。
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◎ 洞調律です。
◎ V1-4, aVL で、QS patternと ST上昇を認めます。
◎ T波陰転を、V4-6, I 誘導, aVLに認めます。
◎ II, III, aVFで、ST低下を示します。ACSの証しですね。
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問題は、発症時期です。
心電図的には、発症から半日後〜数日後でも、どれでもあり、な状況です。
これ以上経過すると、II, III, aVFで、ST低下(ミラーイメージ)は、無くなっていると思います。
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この症例では、患者の症状が続いていたために、緊急カテ→PCIとなりました。
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前下行枝(Seg6 & D1)での、血栓性閉塞がわかります。
よく見ると、回旋枝(Seg-15)にも、血栓がありますね。
クリックすると、拡大します。
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緊急PCI後に、腹痛原因評価として、腎動脈造影を行いました。理由は、PCI後の腹部透視で、左腎盂・尿管が造影されなかったからです。
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血栓性の左腎動脈閉塞があり、ウロキナーゼ60万単位の動注を行いました。これにより、部分再開通が確認されています。
しかし、その後の造影腹部3DCT、レノグラムでは、ほぼ左腎は廃絶状態です。
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この症例は、ERの心電図のみでは、緊急カテに踏み切るべきか、判断に躊躇します。症状が続いていることから、緊急心カテを、決断しています。
喉の焼け付くような感じ・下顎部の異常感覚での発症は、頻度の高いものではありませんが、とても珍しい訳でもありません。
ACSを想起できるかは、その場の雰囲気(医師の嗅覚?)も、大きいものです。
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経過の心電図です。
(入院2日目です。)
クリックすると、ECGが拡大します。
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(入院60日目です。)
クリックすると、ECGが拡大します。
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