ECG-134:answer
ECG-134:34才男性。突然の失神・呼吸苦でした。
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立位心ではありませんね。肺野はキレイです。気胸なしです。
もともとの心電図がないと、これだけ(軸偏位)で、異常とは云いきれません。
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まとめてみましょう。
◯ 34才の喫煙・肥満の男性。
◯ 突然の失神と呼吸苦。SpO2の低下。
◯ 心電図で、頻脈と電気軸が下を向いている。(右心系に引っ張られている)
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肺塞栓も、鑑別に入れなければなりませんね。
肺塞栓のパールとして、
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【SpO2低下を説明する胸部レントゲン所見がない場合に、肺塞栓を外さない!】
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があります。
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二日目の心電図を見てみましょう。
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V1-4のT波が陰転化しています。
I 誘導のS波は、無くなってしまいました!?!
III,aVFのT波陰転。
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右心系の負荷の表現である、と推定することは可能です。
但し、我々は最初は、タコツボ心筋症か!と思いました。
でも、心エコーでは、心尖部の壁運動障害はなく、右心系の拡大もいまいちでした。
このように、ERにおいて、心電図も心エコーも、あまり役に立たない肺塞栓の症例は、存在します。失神までしているので、循環動態はあぶない感じなんですけどね。
この症例の胸部造影CTです。
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胸部造影CTと肺血流シンチの比較です。
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肺塞栓における心電図の意義は、大きくはありません。
心電図が、明らかにおかしい症例は、血行動態の破綻を意味している可能性大です。慎重に対応しましょう。
また、経時的に心電図を比較することは、大切な事です。
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