ECG-174：answer - heart2019改　の ECG-001 〜 ECG-315 まで移転です。

高カリウム血症の心電図：serum-K=8.8mEq/L

　慢性腎不全でした。ふらふらと動けなくなり、やっとの思いでERに搬入されています。

【高カリウム血症は、胸部誘導で診断している】 (ECG-173)

　と、云ったとたん、肢誘導で尖鋭なT波を呈する高カリウム血症の症例と、遭遇しました。

　（どの口がそんなこと云うか！！）→(すいません、すいません)状態で、m(_ _)mしながら、どんどん解説していきます。

　II, III, aVFの誘導にて、tall-Tです。尖ってます。

　Wide-QRSです。

　P波は、あるような・ないような。判定保留とします。

　緊急透析前後での心電図比較です。

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＊ V3,4のT波は尖っているようですが、これは血清カリウム値が正常化して後も、あんまり変化ありません。もともとのT波の形のようです。

　V5,6の複雑なST-T変化は、心筋症でも隠れているのか？と思わせます。

↓（青矢印）の、II,III,aVFでは、対称性の先鋭化したT波が認められます。心に高カリウム血症のアラームが鳴り始めます。QRSもwideだし、P波もなんか変だし。(T波最終部の高まりは、P波かもしれませんが、同定はちょっと難しい)

　心電図診断としては、主にII,III,aVFの異常を高カリウム血症だと判定して、すぐに治療に介入するはずです。

　カルシウム製剤を準備して、体外式ペーシングを準備して、etc..

　ECG-173で、高カリウム血症の心電図シリーズは、美しく一旦完結のはずでした。でも、この症例はぜひ見て頂かねばとUp致しております。

　高カリウム血症の心電図は、あれもあり・これもありだね！とご理解頂けましたら、幸いです。

＊現在、増刷中ですm(_ _)m。