ECG-176:answer
心房細動として、方針決定を考える症例・・・・・かな?
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「えっ、これが心房細動ですか?P波あるんじゃないの?」
「これ心房調律だナッシー!どこがAfibだナッシー!」
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と、瞬時に思われたかは、正解です。
う〜ん、ちょっと迷いましたね〜。と云う方のための解説です。
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心房細動の診断には、
【必要条件】
*絶対性不整脈の存在 (absolute arrhythmia)
*P波の欠如
【必要条件】
*f波の存在
となります。f波がわからないことは、よくありますね。
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では、問題の心電図を再度よく見てみましょう。
クリックすると、ECGが拡大します。
RR時間は、けっこう揺らいでいますね。不整としか、いいようがない。
あとは、P波の有無です。
V1では、あんまりはっきりしませんね。P波が、あるような、ないような。
こう云う時は、12誘導全てを、目を皿にして、見直しましょう。
P波は、QRS直前に有り、反復して存在することが、存在証明です。
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青矢印( II 誘導)の部分で、少しづつ異なる形のP波があります。II 誘導で陰性のP波で有り、洞結節からの興奮ではないようです。多源性のSVPCか。
35日後の心電図では、洞調律と思われる規則正しいP波の反復出現が、認められます。心負荷のあり方が変わったのか、V1,2のT波も変化しました。
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35日後の心電図。
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SVPCの多発で、RR間隔が、一見でたらめとなることは、よく経験されます。この場合注意したいのは、
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【 多発性の異所性心房興奮は、Afib.と錯覚することがある 】
【 SVPCの多発に抗凝固療法を行う正当性(evidence)は、存在しない 】
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と云うことです。心房細動症例には、抗凝固療法をしっかり行う必要がありますが、まず本当に心房細動か?じっくりと、検討して下さい。
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