ECG-177：answer - heart2019改　の ECG-001 〜 ECG-315 まで移転です。

答え：シロスタゾールを中止することで、頻脈傾向が改善しました。

　シロスタゾール(プレタール:PLETAAL)は、made in Japanの抗血小板薬です。強い血管拡張作用を持ちます。下肢血流も改善してくれる嬉しいお薬です・・が、これば時に副作用ともなります。

＊頭痛、＊動悸/頻脈、＊顔面紅潮、＊狭心症発作

　が、ちょくちょく発生します。

頻脈をみて、

など、原因が明らかで無い時は、薬物も考慮しましょう。(真っ先に考慮してもいいんですけど)

　交感神経刺激薬などのわかりやすい薬物以外に、シロスタゾールも疑って下さい。この症例では、110〜120bpm⇒80〜90bpmにまで、平均的心拍数が下がりました。シロスタゾールを中止する以外、他の因子は変化しておりません。

(シロスタゾール投与時の心電図)

　HR≒115bpm.

　RR間隔不正が顕著ですが、よく見ると、P波がはっきりとあります。但し、早期収縮時(SVPC)時は、当然P’となり形が異なります。

(シロスタゾール投与中止後の心電図)

　HR≒87bpm.

　PVCが一つありますが、RR間隔はほぼ整い、心拍数も軽減しております。P波もより明瞭です。

　　この一枚づつの心電図だけでなく、一日の平均脈拍数も、シロスタゾール投与終了後は、明らかに減っていました。

　　心電図判読ではその波形だけではなく、心拍数の変動にも、気持ちを巡らしてみましょう。

　この頻脈化作用を利用して、ペースメーカーを植え込むかどうか悩む徐脈患者で、抗血小板薬投与の適応があれば、投与してみる価値があります。（但し、投与時は、必ず指導医と相談してね、研修医のみなさん。）

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