ECG-178：answer - heart2019改　の ECG-001 〜 ECG-315 まで移転です。

ECG-178：左の肺が見えない２症例での心電図です。

　左の肺野が、真っ白ですね。普通は、多量の胸水貯留か全肺野の無気肺を考えますね。さて今回のポイントは、心電図との関連性です。

　症例(その1)は、高齢のために肺がんを経過観察としていた症例でした。左上葉に肺がん陰影がありましたが、三ヶ月前より左肺無気肺となっています。縦隔リンパ節腫大による気管圧排と推定しております。心臓と体表の間には、無気肺が存在します。

　こちらの症例では、心電図は低電位となっているだけです。

⇒ 胸部レントゲン(A) & 心電図(い)

　症例(その2)は、左上肺の先天性欠損のようです。無気肺化した下葉はあります。右肺は、代償性に過膨脹しており、縦隔・心臓は、極端に左方変異しています。心臓と左側体表面の距離は、著しく短い。

　異様な高電位とST変化の心電図となっています。移行帯は、V4-5の間くらい。

　ECG-049の（ハルステッド左乳房術後）と似ています。心臓と電極の物理的距離は、このように心電図波形に、大きな影響を与えるんですね。

⇒ 胸部レントゲン(B) & 心電図(ろ)

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　胸部レントゲンを見ながら、心電図の電位について考えると、いろいろ推測できますね。いろいろな因子が、左室電位に関わりますので、単純に割り切れません。今回は、たまたまこうなったかも、しれません。

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【全てがわかった後に、心電図を振り返ると、何を語りかけていたのか分かります。】

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