ECG-194:answer
80才代男性です。極度の徐脈との触れ込みで、紹介されました。
触診では、確かに徐脈です。他のバイタイルサインは安定です。
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【徐脈の定義は、存在しない】
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が、原則です。50bpm(=回/分)以下が、常識的な徐脈でしょう。
40bpm以下だと、徐脈を指摘しても、誰も文句は云いません。
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徐脈の鑑別で、何を思い浮かべますか?
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* 洞性徐脈と洞停止( Sick Sinus syndromeの1,2型)
* 洞停止での心室調律
* 房室ブロック(II. III 度)
* 徐脈性心房細動
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などになりますね。
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でも、二段脈による脈拍欠損も、あるんですよ。この場合、心電図上は80bpmあっても、触診では脈拍数40bpmとなります。
この患者さんの(ABI/PWV)の記録です。
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ABI=Ankle Brachial Index(足関節上腕血圧比)
PWV=Pulse Wave Velocity(脈波伝達速度)
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. . 脈波を見ると、PVC時にほとんど脈圧を生じていないのが、わかります。(脈が触れない)状態ですね。
この時のPVC出現時の心エコー図を見てみます。
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. . . 聴診しながら、脈を取ります。上記のように、心音として聞こえるも、脈がない=脈拍欠損として、理解されます。
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教訓としては、
【脈が遅い時は、必ず聴診を併用して、再度観察する】
【洞性徐脈と決め付けず、心電図記録も行う】
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と、なりそうですね。
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