heart2019改 の ECG-001 〜 ECG-315 まで移転です。

Cardio2012のECGブログ(from ココログ)よりのインポートです。

ECG-216:answer(1/2)

   40才代男性の胸焼け症例。午前5時でした。

 最初に、心カテの結果を提示します。こんな風でした。

Ecg216acs_angioforweb

クリックすると、ECGが拡大します。



 右冠動脈 #2に、多量の血栓を認め、吸引除去を行っています。ステント留置は行っておりません。

 来院時は、酵素学的障害が認められない超急性期だった訳です。

 RCA/ACSが、確定との前提で、心電図を見直します。

 心電図でACS(STEMI)とするためのお約束は、

◎ 連続した2つ以上の誘導で、ST上昇を認める。

◎ 対側誘導でのミラーイメージを、呈している。

 の二つです。


Ecg216erforweb_2

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 因みに、肢誘導をCabrera誘導に直すと、連続した肢誘導の間顕性が分かります。

 II, III, aVF 誘導の対側誘導は、aVL, I 誘導 となります。

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 コラム-071での症例は、ST-T変化が顕著で、分かりやすいですね。

Ecg216071forweb

クリックすると、ECGが拡大します。

 

 それに比べると、この症例の搬入時心電図は、慣れないと見落とかもしれません。また、この程度のST-T変化は、健診での心電図でもよく見かけます。

 今回の教訓です。

【 胸痛と関連したST-T変化は、レッドフラッグと考えるべし!】



 ACSの診断方法について、answer(2/2)でもう少し考察してみます。







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