ECG-236:answer(2/2)
もう一度、搬入後ICUで初回に記録した12誘導心電図を。
Brugada型心電図を認めたときに、そしてまだ大きな問題が生じていない症例で大切なのが、(病歴)です。
*親族の突然死。自身の動悸発作・失神歴があれば、迷わず不整脈専門医へコンサルトです。(一般医は、経過観察しか出来ません。)
*今回のように、Vfのsurvivorならば=surviveしました=間違いなくICDの植え込み適応です。
今回のような症例では、頻回に12誘導心電図を記録してみましょう。
Brugada症候群では、V1,2のST-T変化が大きい。これを、覚えておいて下さい。Coved型を見つけるまで、心電図記録を反復です。
この症例では、
◯ 救急車内で記録されたモニター心電図波形です。
(1/3 : Vfで始まります)
(2/3 : ST上昇波形が続きます)
(3/3 : STの平坦化と心拍の安定化)
◯ 搬入後に施行された冠動脈造影時の心電図です。(CAGはintact.)
→ICU初回心電図記録の30分程前の記録です。
◯ 入院4日目の心電図です。
典型的なCoved型心電図ですね。
ついでに、右側胸部誘導を記録してみました。確かに、STが若干上昇しています。しかし、V1の明瞭なST上昇(Coved型)があるので、追加記録する診断的意義は、ありませんね。
◯ 時系列で、見てみましょう。
Coved型のV1のST上昇は、出現したり消えたりしています。
今回の症例から得る教訓は、
【Vf-survivorは、12誘導心電図を反復して記録する意義がある】
【無症状のBrugada型心電図症例は、心電図の再検と詳細な問診を取るべし】
とします。
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