heart2019改 の ECG-001 〜 ECG-315 まで移転です。

Cardio2012のECGブログ(from ココログ)よりのインポートです。

ECG-236:answer(2/2)

もう一度、搬入後ICUで初回に記録した12誘導心電図を。 

Ecg236icuforweb

 Brugada型心電図を認めたときに、そしてまだ大きな問題が生じていない症例で大切なのが、(病歴)です。

*親族の突然死。自身の動悸発作・失神歴があれば、迷わず不整脈専門医へコンサルトです。(一般医は、経過観察しか出来ません。)

*今回のように、Vfsurvivorならば=surviveしました=間違いなくICDの植え込み適応です。

 今回のような症例では、頻回に12誘導心電図を記録してみましょう。  

 Brugada症候群では、V1,2ST-T変化が大きい。これを、覚えておいて下さい。Coved型を見つけるまで、心電図記録を反復です。

 この症例では、

◯ 救急車内で記録されたモニター心電図波形です。

1/3 : Vfで始まります)

Ecg236qq01forweb


2/3 : ST上昇波形が続きます) 

Ecg236qq02forweb

3/3 : STの平坦化と心拍の安定化)

Ecg236qq03forweb

◯ 搬入後に施行された冠動脈造影時の心電図です。(CAGintact.)

    →ICU初回心電図記録の30分程前の記録です。

Ecg2367forweb

◯ 入院4日目の心電図です。

Ecg2368forweb


Ecg2369forweb


 

 典型的なCoved型心電図ですね。

 ついでに、右側胸部誘導を記録してみました。確かに、STが若干上昇しています。しかし、V1の明瞭なST上昇(Coved)があるので、追加記録する診断的意義は、ありませんね。

◯ 時系列で、見てみましょう。

 Coved型のV1ST上昇は、出現したり消えたりしています。

Ecg23610forweb

   今回の症例から得る教訓は、

Vf-survivorは、12誘導心電図を反復して記録する意義がある】

【無症状のBrugada型心電図症例は、心電図の再検と詳細な問診を取るべし】

 とします。


.

.

.

.

. 

.

.