heart2019改 の ECG-001 〜 ECG-315 まで移転です。

Cardio2012のECGブログ(from ココログ)よりのインポートです。

ECG-237:answer

::P`の解釈(その位置)を、見誤っていました。訂正しております。申し訳ございませんm(_ _)m。ご指摘頂いたお師匠様に感謝です::

=2017/5/23=

 80才代の男性で、自然気胸で呼吸苦を訴え、入院経過観察中に頻拍発作が起きました。トロッカーも入れずに、静かに自然治癒を期待したいような時に限って、こんな頻脈発作起きるんですよね。

 バイタルサインは悪化しなかったので、外科の主治医と相談して、verapamilの緩徐点滴投与で、洞調律化を得ております。

 さて、「あっ、PSVTでしょ、それが何か?」

 

 今回は、手順に沿って、一歩一歩考えてみましょう。初期研修医が、ERや病棟で、まだドタバタしている時期ですから。

 

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*頻脈です。だいたい、150bpm

QRSは、narrowですね。鑑別は、narrow QRS tachycardiaです。

RR間隔は、揃ってますか?よ~く、見て下さいね。

  →初期研修医から、PSVTです!てっ云われる半分はrapid-Afib.なん

   です。

P波は、ありますか?

Flutter波はありますか?

 2:1伝導のAFLは、慣れないとFlutter波が見えてきません。このような頻拍では、徹底的に除外を心掛けて下さい。

 長めに(数メートル)12誘導心電図を記録します。最近の心電計は、頭がいいので、過去数分以上の波形を連続で覚えてくれています。

 どうも、PSVTみたいですね。

 

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 となると、どこでリエントリーしてるのかな?が知りたいです。少なくとも、心電図本では、その点にみんな力を入れています。(いきなり心房頻拍は、普通考えません)

 もう一度、頻拍時の12誘導心電図を、よく見てましょう。

 矢印の部分を見て下さい。T波の頂点部分にP`らしい部分が見えてきませんか?基線のぶれもあり、再現性が完璧ではありませんが、臨床心電図は、こんなもんです。R波のてっぺんから出現時相は、一定です。複数の誘導で確認できます。

 このT波の頂点部分のタイミングでのP`出現は、

AVRT(WPWよるケント束の逆行性伝導)

AVNRT(slow-slow AVNRT?)

*読み過ぎ!(P`の見えないslow-fast AVNRT)

 T波頂点部分に乗っているP`。そう感じ取るセンスが必要です。

 EPS無しで全てのPSVTの発生機序が分かる訳ではありません。私は、勘違いしており、今回訂正させて頂きました。

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