heart2019改 の ECG-001 〜 ECG-315 まで移転です。

Cardio2012のECGブログ(from ココログ)よりのインポートです。

ECG-244:answer

 悩ましい心電図です。

 II, III, aVF ST上昇は、すぐに気付くと思います。持続する胸痛ですから、まずはACSほぼ決め打ちで、ERの加療は開始されます。

 若いですけど、40才以下もACSは5%くらいは、普通にあります。

  aVLでのミラーイメージST低下が、イマイチなのは気になります。

 後壁の壁運動低下も、心エコーで確認されました。後付けですが、酵素系では、CPK-710。トロポニン-I=22.7でした。発症後6時間くらいの検査結果ですね。

 このまま、緊急カテでもOKです。Time is muscleです!

 でも、もう一度12誘導心電図を、しっかりと見てみましょう。

Ecg244erweb

 

 VL5,6にも、しっかりしたST上昇が認められます。

 II, III, aVF ST上昇はあるも、II, III, のどちらのSTが高いのか?よくわかりません。

 aVLでのミラーイメージST低下が、わからない(・_・?)。

 下壁と側壁での、虚血性変化が有るわけです。

 虚血の責任病変が、右冠動脈か・回旋枝か?

 悩みつつの、緊急冠動脈造影開始です。

 

Ecg244cagpciweb

 回旋枝の#14の完全閉塞でした。

 ☆☆☆は、PCIのballoon拡張です。

 再疎通#14後は、側壁と一部下壁を支配しています。

 経時的心電図変化を、見てみましょう。

Ecg244web

 V5,6と II, aVFで、異常Q波またはQS patternが発生しています。

 この#14の走行にぴったり一致していますね。

 またaVLに対して、きれいな対側となっておらず、ミラーイメージとしてのST低下が起きなかったようです。

 残念ながら、V7,8,9は、記録されておりません。

 結論は、いつも同じですが、

【 回旋枝か、右冠動脈か、ACSの責任病変を心電図で確定するより、ACSだ!と気付くことが、大切です 】

 

 となります。

(心尖部四腔像)

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側壁の壁運動低下が、示されています。

(心尖部二腔像)

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下壁の壁運動低下。systolic thickningの減少です。

(左室短軸像)

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5時~8時方向の壁運動低下です。むしろ、10 ~3時方向の代償性過剰運動と考えた方が、分かりやすいかと、思います。

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