heart2019改 の ECG-001 〜 ECG-315 まで移転です。

Cardio2012のECGブログ(from ココログ)よりのインポートです。

ECG-276:answer(2/2)

(B: X day.  息切れで来院時です )の心電図。

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  徐脈ですね。

  すぐに、P波のチェックです。

   P波の有無! これが、12誘導心電図のおけるP波の存在意義です。

  有りますね。では、洞性徐脈か?

  P波があってQRSが続かない場所があれば、房室ブロックか、blocked-PACです。解析します。

  ぱっと見は、Mobitz-II 型のAVブロックですが。。

  AV block は、P波がはっきりと認識できる誘導を、納得出来るまで、長く記録して下さい。

  完全房室ブロックでした。

  CAVBでは、当然ながら心室調律で、RR間隔は一定となります。しかし、PP

間隔は揺らぐことが、時々あります。

  この症例では、PQが繋がっているとは、どうあがいても云えませんね。

 

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  四肢誘導で、P波がしっかりと確認できました。 T波の終末部にもP波があります。

  ここで、留意すべきは、この心電図で P波は四肢誘導で確認できるも、胸部誘導では、房室伝導が繋がらない時のP波が、はっきりしない事です。

  P波は、12の全誘導で確認する習慣を、持って下さい。心電図毎に、P波がはっきりする誘導が異なる事が、よくあります。

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  このまま、ブロックは改善しなかったために、永久ペースメーカー植え込み術を施行しております。β-blockerを切れない事情もありました。

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【 完全房室ブロックは、十分な長く記録した12誘導心電図で判定すべし 】

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  を、今回のTipsとします。

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