heart2019改 の ECG-001 〜 ECG-315 まで移転です。

Cardio2012のECGブログ(from ココログ)よりのインポートです。

E014:answer

 E014:胸部不快発作と冷汗を二日間がまんして、一般外来初診に来られました。見た目は、安定しています。意識もバイタルサインも、著変なし。

 これが、一般健診での心電図だったら、念のため、循環器受診して下さい、で済ませられるかも、しれません。でも、今回は、上記症状を伴っての来院です。当然、虚血発作を念頭において、評価・行動します。

 洞調律で、頻脈無く、房室伝導も正常です。見た目も安定してる。まず、一安心。

(1). V2-4の尖った陽性Tが、何を意味するのか?(後壁の冠性T波;ひっくり返しで見ている)

(2). III, aVFで、QS patternと二相性T、そしてややST上昇(⇒下壁の梗塞)

 あまりフレッシュなイメージではないけど、なにせ二日経過しているし。臨床所見とリンクして考えましょう。

 すぐに、心エコーとトロポニン-I (or T)。大至急!

 4音の聴取があれば、迷わずに、ERでのモニター監視下に切り替える。

 O先生は、指示を出しつつも、直感的にこの症例は、速やか対応が必要と判断し、行動しました。

 上記のような、理屈以前の判定です。陳旧性のMIでも、その空振りは、許されるのです。検査オーダーしつつ、循環器科へ、コンサルト(と云うよりバトンタッチ)されました。

 さて、研修医の先生方の場合、どう行動すべきでしょうか?それは、

【責任を一人でとらず、指導医とすぐに問題を分かち合い、行動する】

 です。のんびり一人で考えて、行動しないのも、患者さんのためです。

 CPK=1100mg/dL、TnI=21.17ng/mL、BNP=105.8pg/mLでした。

 亜急性期のACSとして、すぐにPCIとなりました。まだ症状ありますから。