heart2019改 の ECG-001 〜 ECG-315 まで移転です。

Cardio2012のECGブログ(from ココログ)よりのインポートです。

ECG-035:answer

 ECG-035:73才女性。外来患者さん。1999年の心電図で、安定外来管理でした。  当時は、この心電図を見て聴診したら、すぐに原因疾患を、皆当てていました。と云うか、他になかった。僧帽弁狭窄症(MS:Mitral Stenosis)  心電図です。 *心房細動です。 *f波が、大きくて元気ですね。Flutter波に見えないこともないですが、よく見ると各々の大きさが違う。また、RR間隔は、絶対性不整です。(下図) *I 誘導は、R波が低い。Lead- I sign です。 Case035msafib  聴診では、拡張期に心尖部でランブリングを聴取します。MOS(Mitral Openning Snap)もErbの領域で聞こえました。  電気軸が、下を向く= I 誘導のR波が低い。は、MS(僧帽弁狭窄症)による右室への負担の表現です。連合弁膜症となり、大動脈弁も障害を受けると、LVHが出現しますが、この症例では、大動脈弁障害は、少ないようです。  心電図だけで、MSと言い切るのは、ちょっと無理。しかし、聴診所見と合わせると、他にありません。正確には、聴診所見だけでも、診断可能です。問題は、日本に新規発症のリウマチ性心疾患は、もうあり得ないので、皆さんが診たり・聴いたりできないことなんです。よいことなんですけどね、日本にとっては。  東南アジア・アフリカにて、医療を展開される予定の方は、覚えて置いて下さい。  心エコー(B&M mode)です。  僧帽弁開放制限と前尖のdomingが認められます。M modeでは、DDRの低下と教科書どおりです。  大動脈弁の硬化はありますが、開放制限はありません。  大動脈弁だけを侵すリウマチ性心臓弁膜症は、ありません。Tipsです。