ECG-046:answer
ECG-046:頻回の動悸発作を以前示し、ICD植え込み後の患者さんです。
答えは、ARVC(Arrhythmogenic Right Ventricular Cardiomyopathy)でした。
以前は、ARVD(ARV-Dysplasia)と呼ばれていました。
右室主体の心筋症です。右室の心筋が、まだら状に、脂肪変性を来します。よって、心エコーで見ると、複数個の小さな右室・心室瘤が認められたりします。右室がDCMとなり、ポンプ不全で大変なことになる〜訳ではありません。この変性部位が、不整脈の発生源となり、VTなどが起きます。多源性であり、アブカテで焼き切る訳にもいかず、ICDの出番となります。
さて、心電図は、どう見るべきでしょうか?
研修医A:なんか全体的におかしくねぇ?この心電図。
研修医B:一応、洞調律だね。
(A):いままで、見たことないパターンだよ。
(B):右脚ブロック見たい、に見える。
(A):V1なんか、ブルガダのCoved型みたい。
(B):強烈な、右軸偏位だし。
(A):ギザギザなQRS〜notchが多い。
(B):T波も、全部陰転化している。心筋障害が大きい。
(A):なんか、右心系が主におかしいのかなあ。
この心電図で、ARVCと確定できる訳ではありません。慣れた方なら、ピンとは来るかも。
見たこともない心電図でも、何が起きているか、ある程度推定はできます。それによって、次に何をするべきかを、決めていきます。右心系の問題であることは、心エコーでわかります。
なお、VT出現があるからこと、ARVCと診断されます。
以前のVT発生時の心電図です。
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