ECG-115の追加の解説です。
前回(ECG-115)の症例は、虚血性心筋障害をベースに、頻拍性心房細動を伴い、電撃性肺水腫になった症例でした。
この症例の心エコー図です。
短軸像でわかるように、4時〜8時方向での壁運動低下があります。
左室もリモデリングしているのか、中隔の動きもさえません。
で、心電図ですが、
クリックすると、ECGが拡大します。
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I,aVLにQ波はあるものの、虚血の拡がりに、心電図上乏しいです。
V2,3で R>Sとなっており、後壁梗塞のパターンを呈します。
後側壁の梗塞となりますね。
心エコーで見ると、II, III, aVFにもQ波が出てきて、よさそうにボクには思えます。この点が何か、釈然としないのですが。。
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お師匠様のコメントとして、
○ 下壁梗塞は、慢性経過で梗塞部がshrinkしてQ波が消えてくることが、一般的にあり得ること。
○ 心尖部から見て、時計軸へのローテーションがあるためかも。
を、頂きました。
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心エコー所見と心電図所見が、乖離することは、けっこう認められます。あるいは、これを所見の乖離と考えるのが、おかしいのかもしれません。
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【Q波の数で、心筋梗塞の大きさを判断するな!】
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は、以前も提示した教訓です。自分で悩んでいたら、世話ないですが(-_-;*)
PVCを認めますが、notchの多いギザギザ波形ですね。心筋障害が大きいことを、感じさせます。
以上、追加の解説でした。
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