【コラム-026】肺血栓塞栓症(PTE)を、心電図で診断できるのか？

(しばらく心電図checkできないため、コラムが続いています。m(_ _)m)

＊＊＊＊　肺血栓塞栓症(PTE)を、心電図で診断できるのか？　＊＊＊

　答えとして、「心電図だけで、PTEを診断するのは、止めときなはれ。」と云うのがあります。

　急性の右心負荷を、なんとなく感じ取るのは、大切です。特に以前の心電図と比較するのが、ベストな対応です。

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◎　右軸偏位が、発生している。

◎　右脚ブロックが、出てきた。

◎　V1-3くらいに、陰性T波が出現している。

◎　頻脈化している。(感度高し！特異度もちろん低し。)

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　あたりの総和となると思います。

　S1, Q3, TI3 は、有名だけど、(PTEの)20%位でしか認めないも、有名ですよね。

　→重症度とは、あまり相関しないそうです。

　→右側胸部誘導(V1-3)のT波陰転化のほうが、予後を反映します。

　(→の部分：もしも心電図が小学校の必修科目だったら＠香坂俊先生 p115より引用です。)

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　ひたひたと、右心系にストレスがかかっているのを、感じ取って下さい。

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　但し、上記は、急性の呼吸苦で来た患者さんの、鑑別においてです。

　自覚症状がなにもないのに、たまたま取った定期心電図では、こちらのセンサー感度が異なります。(そんなに慌てていない)

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　昨晩から息苦しくて、眩暈がして、頻呼吸で、SpO2低下していて、聴診で IIp成分が遅れて、分裂している。

　もう、他に考えられないですね。PTEです。心電図なくても。

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　心エコーを見ると、右心系が拡大しています。おそらく。

　DVTの存在を疑って、下肢静脈エコーも行います。

　臨床的確定診断としては、造影CTでの肺動脈内血栓の確認と、追加できるならば=急がないけど=肺血流シンチでの血流欠損の確認です。(その欠損部位が、CTで巨大ブラでないことは、確認してね)

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　上記のように考えると、すでに肺塞栓/梗塞だと、わかっている症例では、心電図は、あってもなくても、診断は、変わらないと云うことです。

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　胸部症状があって、取り敢えず記録した心電図において、

【右心系が、やばいんじゃない？】

　と、思えることが、重要なんですね。

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　なお、肺血栓塞栓症(PTE)は、そのほとんどが、深部静脈血栓症(DVT)により、引き起こされます。なので、まとめて、VTEとも呼ばれます。下図は、その関係図です。　PTE = PE と考えて下さい。ただ、PEだと、心嚢液・胸水と紛らわしいですよね。(pericardial effsion, pleural effsion)

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