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Cardio2012のECGブログ(from ココログ)よりのインポートです。

【コラム-025】脂質代謝異常と12誘導心電図

 ここに書くことは、前回の高血圧と基本的に同じです。

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 Dyslipidemia(脂質代謝異常)は、いわゆる髙脂血症のことです。
 LDL-C高値も、TG高値も、低HDL-C血症も、みんな含むので、(髙脂血症)じゃ、意味合わないんじゃね?と、Hyperlipidemia → Dyslipidemia となりました。
 こやつは、単独で動脈硬化と云う悪さを起こすことは、あんまりありません。とんでもなくLDL-Cが高い場合には、あり得ます。TG(中性脂肪)が高くても、日本人男性では、虚血性心疾患の発生率は上昇します。
 でも、Dyslipidemiaに、高血圧・糖尿病・喫煙・Metsなどが組み合わさると、倍々法的リスク増加となります。つまり、ACSになるんです!
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 心電図に変化が出るのは、冠動脈に問題が生じてからです。有意狭窄もしくは、閉塞ですね。
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 血流の低下→心筋の低酸素・低栄養状況で、ST-T変化が発生します。STが上昇する場合(貫壁性虚血)もあれば、STが低下する虚血もあります。
 STEMIは、緊急のPCIのほぼ絶対的適応です。または、緊急CABGです。では、ST低下は様子を見ても好いのか?Case by caseです。なお、後壁のST上昇は、V7-9を記録しないと、V1-3あたりのST低下として鏡面像を取りますしね。
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 Dyslipidemiaで、心電図変化が出て、ACSであったならば、カテーテル治療とは別に、ほぼ全例スタチンを投与すべきです。他の脂質異常症治療薬を選ぶときは、スタチンが使えないので(副作用等)泣く泣く、使う場合だけです。
 どのスタチンが偉い!と云うレベルでは無く、きっちりとLDL-C値を下げることです。これも、高血圧治療に酷似しております。
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