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Cardio2012のECGブログ(from ココログ)よりのインポートです。

ECG-145:answer

ECG-145:93才女性。ERで記録した心電図でした。

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 心電図を、全然読めない頃は、何も怖くなったのを、覚えていますか?
 パズル感覚で、心電図判読を楽しんでいた医学生自体から、研修医になると、がぜん判読の責任が出てきます。
 ただのST低下や上昇が、「ACSではないのか??」の不安をあおります。特に、少し勉強して、知識が頭に入っているだけの時が、一番しんどいんですよね。
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 この心電図の特徴は、
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◎ RR間隔は、絶対性不整である。f 波も、しっかり存在する。
◎ 高電位を、示している。
◎ V5,6のST低下は、いわゆるstrain-patternである。
◎ V1,2 のSTは、上昇しており、V5,6のミラーイメージと思われる。
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 つまり、左室肥大が著明で、心房細動化しちゃっている心電図なんですね。
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 本人が、困っていなければ、緊急性はなく、ただそうなった原因評価を、すればよいのですね。
 この方は、胃瘻で、全介助であり、困っているかどうかの判断は、困難でした。
 聴診で、Erb領域を中心に、駆出性収縮期雑音を認めました。頚動脈でも、その伝播が聞こえます。
 心エコーで、大動脈弁狭窄と、左室肥大を確認しています。
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 慣れると、左室肥大を伴う心房細動で、ACSは考えないのですが、研修医の時は、私も大いに悩みました。
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E145

クリックすると、ECGが拡大します。

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