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Cardio2012のECGブログ(from ココログ)よりのインポートです。

【コラム-039】:(いやいやながら覚える)心電図の基準値

 12誘導心電図の一般的判読に、物差しは似合いません。

 測定して理解すべきは、不整脈解析時くらいです。これは、専門医に任せましょう。
 ぱっと見て、理解できないものは、一般医には不要なんです。
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 でも、最低限覚えざるえない数値を、ここに記録しておきます。
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◎   QRS幅は、0.12秒未満。
◎   PQ時間は、0.20秒まで。(実際的には、0.22秒か)
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*  QT時間は、測定しない。一目見て、明らかに延長している時のみ、問題とする。
*  よって、QTc値は一般医は、あんまり気にしなくて良い。
    (先天性QT延長症候群では、QTcが500msを超えると、失神・心臓突然死のリスクが増加する。)
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* PQ時間の短縮は、P波とQRSが、ほとんどくっついているのを、云う。と、私は理解しています。いちいち測定していないし。
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◎  QRS幅を覚えるのは、CRBBB / CLBBB の診断に必要だからです。なぜ、0.12秒かを考えてはいけません。それは、{人為的に}決めただけですから。

◎  PQ時間を覚えても、I-度AVブロックと診断できるだけです。ちょっと延長しただけで、慌てる必要はありません。

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 暗記すべき数値は、ほとんどないんですね。

徐脈も頻脈も、明瞭な定義はないようです。

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 健診や、心電計での自動診断には、もちろん数値が必要です。取り敢えず、分別するのが、仕事ですから。

 私たちは、臨床的に困るか・困らないか、だけが問題となります。数値に頼っても、得るものが、あまりない。

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どうでしょうか?少し、気が楽になりましたか。

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(注):数値が、どうでもよい訳ではありません。P波とQRSの関係性も、大切です。ただ、数値を覚えても、不整脈専門医以外が、すぐに役立てる場が、あんまりない、と云うことなんです。

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