heart2019改 の ECG-001 〜 ECG-315 まで移転です。

Cardio2012のECGブログ(from ココログ)よりのインポートです。

【コラム-044】:トレッドミルの作法

【コラム-044】:トレッドミルの作法

 トレッドミルの作法

 研修医の先生方が、トレッドミルをオーダーする時は、以下の点に気をつけて下さいね。

 トレッドミルは、走れる患者にしかオーダーしてはいけない。

   ⇒坂を急いで登る検査なんです。

   ⇒9Mets負荷は、ほとんど駆け足です。

   ⇒車椅子や杖で、検査室に来たと云うお話しは、時々あります。

 心房粗動の患者に、施行してはいけない。

   ⇒4:1伝導くらいで安定していても、運動負荷で1:1伝導に成り得ます!

   ⇒当然、300bpmからVT/Vfに移行します。

ACSに、施行できません!

   ⇒不安定狭心症などの病態には、禁忌です。

   ⇒但し、大丈夫だと思った症例で、狭心症否定のために行うことはあり。

   ⇒でも、きちんと上級医に確認(責任を取らせる)してね。

CLBBB,all-Pacing(心室)に、施行しても何もわからない。

   ⇒正常な左室内伝導系を使っていることが、前提です。

 大動脈弁狭窄症は、ほとんどが禁忌です。CPAリスク大!

   ⇒せめて、聴診はきちんとしておいてね。

 負荷によるST低下=冠動脈疾患、ではないこともある。

   ⇒心肥大していれば、負荷すればSTは低下します。

 運動負荷直後にSTガ低下する症例は、かなりヤバイ。

   ⇒そもそも、運動負荷すべきでなかった可能性が高いんです。

   ⇒STが基線に戻るまで、ベッドレストで、ちゃんと安静を保って下さいね。

 上記をあんまり理解できていなかったら、負荷検査しても、得るものは少ないでしょう。

 なお、ECG-157の症例での負荷中の生の12誘導心電図は、以下の様でした。

Ecg157treadmill5

クリックすると、ECGが拡大します。

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 基線の安定化は、運動負荷中は、とても難しいんですね。積算波形で表したのが、ECG-157で表示した、負荷前後の心電図波形でした。

Ecg157

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