【コラム-044】:トレッドミルの作法
【コラム-044】:トレッドミルの作法
トレッドミルの作法
研修医の先生方が、トレッドミルをオーダーする時は、以下の点に気をつけて下さいね。
* トレッドミルは、走れる患者にしかオーダーしてはいけない。
⇒坂を急いで登る検査なんです。
⇒9Mets負荷は、ほとんど駆け足です。
⇒車椅子や杖で、検査室に来たと云うお話しは、時々あります。
* 心房粗動の患者に、施行してはいけない。
⇒4:1伝導くらいで安定していても、運動負荷で1:1伝導に成り得ます!
⇒当然、300bpmからVT/Vfに移行します。
* ACSに、施行できません!
⇒不安定狭心症などの病態には、禁忌です。
⇒但し、大丈夫だと思った症例で、狭心症否定のために行うことはあり。
⇒でも、きちんと上級医に確認(←責任を取らせる)してね。
* CLBBB,all-Pacing(心室)に、施行しても何もわからない。
⇒正常な左室内伝導系を使っていることが、前提です。
* 大動脈弁狭窄症は、ほとんどが禁忌です。CPAリスク大!
⇒せめて、聴診はきちんとしておいてね。
* 負荷によるST低下=冠動脈疾患、ではないこともある。
⇒心肥大していれば、負荷すればSTは低下します。
* 運動負荷直後にSTガ低下する症例は、かなりヤバイ。
⇒そもそも、運動負荷すべきでなかった可能性が高いんです。
⇒STが基線に戻るまで、ベッドレストで、ちゃんと安静を保って下さいね。
上記をあんまり理解できていなかったら、負荷検査しても、得るものは少ないでしょう。
なお、ECG-157の症例での負荷中の生の12誘導心電図は、以下の様でした。
クリックすると、ECGが拡大します。
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基線の安定化は、運動負荷中は、とても難しいんですね。積算波形で表したのが、ECG-157で表示した、負荷前後の心電図波形でした。
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