ECG-180:answer
** ハジメの1枚:新入職医師のための心電図-01 **
* PR時間が短縮し、QRS時間が延長しました 。デルタ波の出現です。
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* 今回(X年)の心電図診断名は、(A型の)WPW症候群です。
間欠性に出現する場合は、間欠性WPW症候群です。
(正確には、再度デルタ波が消えたら間欠性ですね)
ケント束は、繋がったり、切れたり、時に気まぐれです。
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* 無症状(失神、眼前暗黒感、動悸等)ならば、経過観察のみです。治療不要。
A型のWPW症候群では、左房・左室間に短絡路(ケント束)があります。
正常伝導は、房室結節で遅延を生じますが、ケント束の伝導はこれがないために、QRS直前にデルタ波と云う波形が出現しています。(ケント束は、ナトリウム・チャネルなので、伝導が速いんです。)
左室⇒右室と伝導がまず伝わるために、V1に(A型)波形が生じます。
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V1の形が(Aの形)ならば、A型WPW症候群@村川裕二先生said.
(覚えやすいですね。)
CLBBB型の胸部誘導ならば、B型WPW症候群です。(右房-右室間ケント束)
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QRSの極性を含め、胸部誘導は大きく変化しています。
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心電図のテキストには、A,B,C型が載っていますね。
でも、ケント束は先天性の短絡路であり、いろんな場所にできます。その部位によって、デルタ波の形態は変化します。
WPW症候群であることを確認したら、正確な短絡路部位判定は、不整脈専門医に任せて下さい。私も任せます。もっとも、症状がなかったら、経過観察なんですね。
なお、基礎的心疾患がないかは、胸部レントゲンと心エコーで確認しておいて下さい。
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WPW症候群に関しては、
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ECG-021:70代女性。SAH術後に脳外科より、頻脈発作でコンサルトされました。
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で、以前提示しています。
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*内科学会総会(2015年 at 京都)の書籍売り場にありました。ちょっと、うれしい。
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