heart2019改 の ECG-001 〜 ECG-315 まで移転です。

Cardio2012のECGブログ(from ココログ)よりのインポートです。

ECG-190:answer

    これはどう考えても、CRBBBしかありませんね、診断は。

 なぜ、心電計の自動診断は間違えたのか?に興味があります。

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 心電計による自動診断の精度を上げるために、多くの技術者が多大な努力と時間を費やして来ました。

 特に横方向(時間軸)の測定能力は、基線の揺れなどのアーチファクトがなければ、ヒトの能力を軽く超えています。

 しかし、(診断基準)の物差しを、厳格に・定量的に決めてやらないと、機器は診断できません。アバウトな見方は、出来ないんですね。

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Ecg190crbbbforweb

クリックすると、拡大します。

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 ヒトは、(順不同ですが)次のように考えます。

* wide-QRSだね。でも、頻脈じゃないしP波もちゃんとある→VTナシ。

* V1でrsR’で、V5,6にwideなS波あり。

* II,III,aVFで、左軸偏位(LAD)あり。

* 二枝ブロック(CRBBB+左脚後肢ブロック)で、いいよね。

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心電計は、次のように考えます。(=プログラムされている)

Ecg190crbbbforweb_2

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V1,2でのR’高さが、わずかに0.4mVに足りなかったようです。

心電計は、

* 僕の中の診断基準に照らし合わせると、IRBBBになってしまう。

* でも、これをIRBBBと診断したら、笑われちゃうよね、、、。

* なんか、コメント欄で言い訳できないかな〜。。

とは、思わなかったようです。

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 ノイズや基線の揺れで、自動診断を誤るのは、仕方ないと思います。心電計への入力が、間違っているのですから。

 これは、ぎりぎりのところで自動診断がぶれています。目視(eye-ball)では、診断を誤ることが(たぶん)ないケースですね。

 でも、ボーッと心電図を判読していて、自動診断の結果に、己の間違いを気付かされることも、よくあります。(こっちの方が多いか)

 自動診断は、よき相談役。でも、たまに間違うので、過信はしないで下さいね。

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