ECG-205:answer(2/2)
100才代女性が、 徐脈と気分不良でのER搬入でした。
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β-blocker点眼薬の中止と、プロタノール点滴で対応しました。
しかし、いつまでもプロタノールの点滴もできないので、終了しました。永久ペースメーカーは、なしですよ、のお約束です。
交感神経刺激薬の内服は、心拍数増加効果は不安定ですし、催不整脈作用の方が、恐いんですね。
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プレタール(シロスタゾール)を投与しました。内服です。
血管拡張作用の強い抗血小板薬で、副作用が頻脈・動悸・顔面紅潮・(血管拡張性の)頭痛です。これを、逆手にとっての治療です。
モニター上は、以下の様になりました。
クリックすると、ECGが拡大します。
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洞性不整脈は残りますが、1:1伝導です。
ちょっと、ノイズも多いですね。
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退院前の12誘導心電図です。
クリックすると、ECGが拡大します。
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心拍数 100bpmの洞性頻脈ですね。
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さて、今回の治療方法が、最適であったか否かを確かめる方法は、
◎ もう一度、プレタールを休止する。
◎β-blocker点眼薬を、投与再開する。
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これにより、再度徐脈発作が出現するのを確認するのが、一番確かです。On-offで、効果を判定する訳です。でも、ヒトでこれをするのは、なかなか大変です。結局、結果オーライでの退院となっております。
ある一定以上の高齢者では、(今が良ければ、それが一番)として、対応して見るのも、ありなんです。
また、完全房室ブロックは、通常薬物での加療に、反応しないことが多いんです。その意味では、めずらしい症例かもしれません。
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