EECG-225:answer
回答-A:あー、COPD関連ですよね。
なんか右心系に負担がかかって、大変なんでしょうね。
回答-B:*洞調律である。
*右軸偏位を呈している。
*aVR=aVFの波形で、P波も両方陰性である。
電気軸が、真下方面を向いている。右軸偏位なので、やや
右寄りか。電気軸自動測定では、96度。
*II, III, aVFで、P波の前方成分が尖っている。右房負荷か。
*V1で、P波が尖鋭に2相性である。COPD的である。
*胸部誘導のR/S比は、順調に変化を示すが、波高自体は、
V5,6で小さくなっている。これは、肺気腫による伝導性
低下を示唆する。
クリックすると、拡大します。
クリックすると、拡大します。
なぜこの様な心電図となるのかは、(回答B)と上記の説明図があって、やっと納得できるのかな、と思います。
現実的には、(回答A)で十分です。肺疾患で心臓も大変なんだ、と想いやって下さい。
そもそも、心電図からは、右心系に負担が来ている、それはたぶんCOPD関連疾患だろう、までしか分かりません。
肺疾患としての重症度も、右室圧も推測は無理です。
それよりも、とにかく胸部レントゲンを撮影しよう、必要ならば胸部CTまでと、決断できれば、心電図の役目はお終いです。
クリックすると、拡大します。
この方の胸部レントゲンは血管陰影が、少ないですね。
CTでは、巨大なブラが多く、まともな肺野が少ないです。いわゆるvanishing-lungです。
やせ型体型で、頚部を見ると、呼吸筋が少し発達しています。
Heavy-smokerで、煙突のメインテナンスのお仕事です。肺結核や気胸の既往があるも、きちんとした治療を受けてこられませんでした。
心電図無くても、診断・治療には困りませんが、右心系のしんどさを、感じ取って下さいね。