ECG-270:answer
P波の欠如。RR間隔の絶対性不正。
普通に、心房細動ですね。
今回は、心房細動波 = f 波(fibrillation wave)に、着目してみましょう。
クリックすると、ECGが拡大します。
- ◎ P波 は見えません。RR間隔は、絶対性不正です。
- ◎ 明らかなf 波(fibrillation wave)ないようです。
→いや、あるよ ! f-waveが、と云われる方もいると思います。
15年前の心電図です。
f 波(fibrillation wave)が、少しハッキリしているようです。
心房の動きが悪くなるほど、左心耳内血栓は生じやすくなるはずで、抗凝固療法は、必須となります。但し、心電図のf 波の形状で、血栓症の発生率を予測できる訳ではありません。念のため。
拡大して、比較してみましょう。
20XX年時では、20XX-15年時のf 波(fibrillation wave) は、明らかに低振幅となっています。
なお、この間に、心拡大も進んでおります。心房の拡大による効果です。
クリックすると、拡大します。
もう一枚、比較の心電図を提示します。20XX年-5yearsを添えました。
クリックすると、ECGが拡大します。
心房細動の心電図診断では、
絶対条件:P波の欠如 と RR間隔の絶対性不正
十分条件: f 波(fibrillation wave)の存在
となります。
(注:完全房室ブロックを伴ったAfib.は例外となります。念のため)
f 波が、はっきり見えると、心房細動の診断は分かりやすいです。
f 波がよく分からなくても、(絶対条件:P波の欠如 と RR間隔の絶対性不正)が揃えば、心房細動として取り扱うべきです。
自信がなかったら、循環器科へ丸投げして下さい。
SVPC多発例や、基線のノイズの多い症例に、安易に抗凝固療法を始めてしまわないように、初期の心房細動診断は、丁寧にお願いします。
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