ECG-300:answer(3/3)
**いよいよ300症例目となりました。毎日200カウントを超える訪問を頂き、ここまで頑張ることができました。感謝です。**
60才代女性です。ACS-LMTの血栓性閉塞で、血栓除去術を施行しました。
経時的心電図変化を、提示します。
クリックすると、ECGが拡大します。
クリックすると、ECGが拡大します。
発症前(X-4months)は、著明な左室高電位と中等度のST-T変化です。
X day(ER)Xは、顕著なST-T変化を示します。aVRのST上昇は、特に大きく LMT 病変が示唆されます。その他のST低下も(ヤバイ)。non-STEMIとか、考えないように。ST上昇の誘導があるのですから。
X+1 dayで、QRS波高が低下。IABPのサポート下で、心不全状態でした。心筋ダメージとうっ血による伝導性低下のダブル効果でしょうか。X+5dayでも続いております。
X+14 dayは、循環器病棟での安定状況です。
QRSの電位も戻りつつ有ります。ST低下の再出現です。
ACSでは、12誘導心電図が経時的に大きく変化します。
また、X dayの心電図が、(危ない心電図)の代表例であることを、感じ取って下さい。
LCAのflowは改善し、spasmも無くなったようです。
RCA → LAD への側副血行路が、幾分残っています。何故でしょう?
X+16daysの心カテ所見です。
クリックすると、拡大します。
LAD,LCXともに、描出良好です。
LMTも壁不正もありません。血栓像なし。
やはり、血栓性閉塞だったようです。
RCA → LAD への側副血行路がやはり認められます。
HCMで過剰収縮気味でしたが、LMT塞栓後は、ちょうど良いくらい(?)になったようです。
経時的な心筋酵素の変動値です。
今回の学びを、以下の様にしました。
【 HCMのPafは、十分に気を付けよう 常に抗凝固療法を念頭に置く! 】
【 aVRのST上昇は、ACS心電図で必ずチェック! 】
【 あなたが異常に感じる感性を、大切に。それを発展させよう 】
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