heart2019改 の ECG-001 〜 ECG-315 まで移転です。

Cardio2012のECGブログ(from ココログ)よりのインポートです。

ECG-047:answer

 ECG-047:無症状の75才の女性の心電図は、もちろん、Brugada型心電図です。

     

 症状がありませんので、Brugada症候群とは、云えないですね。

 Coved型のV1-2の波形であり、一番あぶないパターンです。見て見ぬふりは、ちょっとできません。

 男性では、40才まで無症状で過ぎれば、まず不整脈発作は、起きないそうです。

 2〜3人/1,000人くらいで、健診では、Brugada型心電図が見つかります。

 Coved型でもない限り、無症状・家族歴での突然死なければ、経過観察が普通のはずです。

 女性では、男性より少ないのですが、失神/突然死のリスクは、中年期でもあるようです。

 でも、75才まで何もなくて、たまたま見つけてしまったCoved型のこの患者さんは、結論として、経過観察のみとしました。(注:別に出す薬はもともと、ありません。経過を見るか、ICD植え込むか、だけ)

 なぜ、こんな波形になるのかの説明は、正直頭が痛くなります。右心室心筋の内膜側と外膜側の電気的興奮のバランスが悪くなり、結果、STの変な上昇となります。この不安定さが、VT,Vfを誘発します。ピンポイントのfocusではないので、カテーテル・アブレーションは適応となりません。薬剤も無効。治療は、ICDのみ。経過観察のみかどうか、悩んだら、日循ガイドラインを見る。

 とだけ、覚えて下さいな。これ以上は、専門書を紐解いてね。

 三ヶ月後の心電図です。Saddle Back 型に変化しています。

E04706006637tm75f20040711

クリックすると、ECGが拡大します。

 一年後の心電図です。Brugadaに関しては、ほとんど何もない心電図ですね。

 (経時的によくなった、のではないでしょう。たまたま、こうだっただけ、だと思います。)

E04706006637brugadaalmostnormal2005

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