ECG-064:answer
虚血性心疾患の診断に、Treadillを使うことは、ずいぶん減りましたね。
偽陽性・偽陰性が多い事と、不安定期はやはりアブナイこと、そして冠動脈造影での決着が、早期に行われるためですね。
虚血の典型例では、
○ 運動負荷早期にST-T変化が発生する。
○ ST低下は、Horizontal or Sagging タイプとなる。
○ Ex.終了後の安静でも、なかなかST変化が基線も戻らない。(数分以上)
○ STが上昇する症例は、かなりアブナイ。
さて、この症例の安静時の心電図を提示します。
これと比較すると、Ex.時の心電図では、
● V4-6で、horizontalにST低下を認める。
● II, III, aVF でも、ST低下を認めている。
これに症状が伴えば、狭心症はまず間違いなしですね。
この症例は、CABGとなっています。 (LAD & RCA の二枝バイパス)
なお、覚えて欲しいことに、
【ST変化の部位と、責任冠動脈の部位に相関性はない、急性期との違い】
ACSでは、ST変化の部位で、責任冠動脈の位置を推定しますが、負荷心電図でのST-T変化から、読み取りはしない方がいいんですね。局在性に乏しいと、理解して下さいな。
なお、患者さんが胸痛を訴えた場合=例えばトイレに行った帰りに=大急ぎで、心電図を撮って下さい。数分以上経過すると、狭心症でも心電図変化は消えてしまいます。以前の心電図と比較することは、必須です。
数分しても、心電図変化が残っていたら?? → 重症かも!!
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