【コラム-024】12誘導心電図と高血圧

　高血圧外来診療を始めた後期研修医は、次のような疑問を持たないでしょうか？

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「なんで、高血圧なのに、心電図が正常な患者さんが多いの？」

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　糖尿病で、尿蛋白が常に陽性となるのは、糖尿病性腎障害がかなり進んだ、とんでもない状況です。

　同じように、心電図で明らかな左室肥大が、高血圧の二次的状況として出現するようでは、臓器障害が明瞭となったadvanced stageな訳なんですね。

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　High voltage と strain pattern が揃えば、LVH間違いなしですが、LVHの基準にあんまり拘っても、意味ありません。ど〜んと、心エコーで直接確認して下さい。

　心電図の役割は、高血圧においては、それくらいです。

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　まだ心電図でLVHを示していない患者さんは、幸運です。しっかりと地道な降圧をして下さい。CCBでもARBでも合剤でも、なんでもいいです。降圧したもん勝ちです。

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　すでに明らかなLVHを呈した高血圧患者さんは、のんびりできません。Value研究などで示されているように、数ヶ月の経過中に、心血管イベントが多発します。ぐんぐん降圧して下さい。また、すでに多くの合併症があるとの前提で、心エコー、腹部エコー等をして下さい。降圧の妨げになる頚動脈硬化の有無も、見て下さいね。

　また、併存するRisk(DM,Dyslipidemia,smoking etc)も要チェック・要加療です。

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　高血圧の患者さんの12誘導心電図が正常だから、と安心しないでね。今が、勝負時なんです。

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