ECG-166:answer
ECG-166:89才の女性が、生活困難・るいそうで入院でした。
89才の独居老人が、るいそう激しく入院となりました。
結論は、低カリウム血症の心電図である、です。
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どっかで、見たような心電図です。症例-027(ECG-027)のanorexia nervozaの心電図と似ていますね。
http://heart2012.cocolog-nifty.com/blogkoko2012/2012/07/05/index.html
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まあ、私はブログの作成者だから、気付くんですけどね。
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この症例では、3回心電図を記録しています。
〇 入院日 K=3.0mEq/dl
〇 入院6日目 K=2.4mEq/dl
〇 入院9日目 K=4.7mEq/dl
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入院時の心電図(K=3.0mEq/dl)
クリックすると、ECGが拡大します。
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入院6日目の心電図(K=2.4mEq/dl) 問題に出した心電図です。
クリックすると、ECGが拡大します。.
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入院9日目の心電図(K=4.7mEq/dl)
クリックすると、ECGが拡大します。
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カリウム値の変化に、胸部誘導のT波の波形は、敏感ですね。
でも、血清カリウム値とT波高さは、同一患者でも単純に平行していませんね。
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入院時の心電図では、K=3.0mEq/dlに関わらず、T波が高いです。やや頻脈です。脱水状態で、交感神経の興奮度が、関与しているかもしれません。
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高齢で、やせて弱った患者さんの点滴は、慎重になります。
利尿が確保できないのに、カリウムを含む点滴をどんどん行う事は、ちょっと恐い。でも、るいそうの強い方は、生体内カリウムは減っているので、補充しないと低カリウム血症になりやすい。でも、Body-massが小さいので、入れたカリウムはすぐに血中濃度を上げるかもしれない。。
堂々巡りの逡巡です。
いろいろ言い訳しても、結局輸液バランスを間違えて、第6病日に低カリウム血症にしてしまいました。Questionの心電図です。
胸部誘導のT波の平定化より、容易に低カリウム血症を思わせます。但し、これも前後の心電図変化の比較であって、カリウム値正常でこの心電図波形もありです。
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