heart2019改 の ECG-001 〜 ECG-315 まで移転です。

Cardio2012のECGブログ(from ココログ)よりのインポートです。

ECG-213:answer

100才代の女性で、CLBBBでした。

CLBBB : Complete Left Bandle Branch Block

でも、そもそもCLBBBの定義に、

 

  心拍は上室性起源による

  QRS幅は120 ms以上である[2]

  QS または rS パターンが V1誘導でみられる。

  単相性R波がIおよびV6誘導でみられる。

上記は、え〜Wikipediaから拾ってきました。定義を見ても素直にCLBBBだと、想像出来ませんよね。

 その本質は、

* 完全脚ブロックの本質=QRS幅が0.12秒以上。

  →0.12秒以上のQRS幅を、完全脚ブロックと定義しています。

* 心房から興奮は伝導している

  →心室起源じゃ、ただのPVCですね、右室起源の。

* 左室の興奮が延長しているので、興奮の最後は(右室では無く)左室です。よって、V6の興奮の最後は左室のために、右室興奮の表現であるS波がない(ハズなんです)。

 普通の場合は、CLBBBは以下のような波形です。


Ecg2132clbbbforweb


 No.1では、V5,6共に、陽性のwideなR波のみで構成されます。

 No.2では、V5まで、S波が残ります。V6でやっとS波が消えています。

 S波が、ドコマデ出ているかは、症例により相違がありそうです

 この心電図では、V6に明らかなS波があります。それ以外は、いかにもCLBBBなんですが。。

 そこで、V7-9まで記録して見ました。

 見事に、S波の無いwideなR波が検出されました。

Ecg2133clbbbv19forweb

 胸部CTで見るとわかりますが、左室が後方回転しております。そのために、V6までS波が出現していたんですね。

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