ECG-249:answer(1/2)
70才代女性が、ERで急変しました。みるみる呼吸状態が悪化しました。
対症療法を行いながら、鑑別診断とその緊急診断(検査)方法を考えました。
* 重度の誤嚥性肺炎。 →胸部レントゲン/胸部CT
* 電撃性肺水腫。 →胸部レントゲン
* 肺塞栓。 →ECG/心エコー/造影胸部CT
* 大動脈解離。 →エコー/造影大動脈CT
* 気胸。 →胸部レントゲン/胸部CT
* 気管内異物 / 窒息。 →胸部レントゲン/胸部CT
まだまだ、考えられるでしょうが、上記はすぐに鑑別されるべきですね。
まず、聴診・理学的評価・心電図・胸部レントゲンの情報を、得ましょう。(=いつもと同じですが)
◎初めは会話できたのですが、急に呼吸状態が悪化しました。
◎頻呼吸です。
◎頸静脈が怒張しているように見えますが、この年齢は皆そんな風かも。
◎チアノーゼ出現で、大量酸素投与です。
では、三ヶ月前→ER搬入時→ER呼吸状態悪化時 の心電図を、比較してご覧下さい。 (Question-249で提示済み)
う~ん。何かを指摘するのは、困難ですね。頻脈化だけです。
(と、この時は思いました。)
取り急ぎ、造影胸腹部CTを、撮影しました。
誰がみても、肺塞栓症ですね。
肺塞栓の首座は、右肺動脈です。(黄色▲)
左肺動脈にも、血栓はあります。(青色▲)
血行動態が急激に悪化しており、挿管も考慮する呼吸状態悪化のため、アンギオ室での治療となりました。
to be continued..