コラム-084:Low voltageを悩まない、をUpToDateする。(1/2)
心電図を見ていて、電位が低いことに、悩みませんか?
ふだんは悩まない私ですが、この問題をUpToDateしてみましょう。
一応定義は、
- ◎胸部にて、QRSの振幅が10mm(=1.0mV)を全て超えない場合
- ◎肢誘導で、QRSの振幅が5.0mm(=0.5mV)を全て超えない場合
と、ちょっとUpToDateしました。
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肢誘導のLow Voltageは、あまりにありふれた所見なんですね。
Low voltageのよくある理由付けで、
* 太っている。女性では、胸が豊かすぎる。
* 胸水貯留が著明。
* 心のう液チャプチャプ。
* 左肺の気胸。縦隔気腫
* 誰が診ても、全身浮腫。
* 超広範囲心筋梗塞。
* COPD、vanishing-lung
* 代謝疾患(粘液水腫・アミロイドーシス)
* 心筋障害(心筋症・心筋炎)
* その他(いろいろ、考えてみて下さい)
=ここからは、コラム032のコピペ=.
でも、(胸部誘導全てで、この基準を満たすことは、なかなかないよ)、とお師匠様も、仰有っていました。
肢誘導全体での Low Voltageは、時々散見します。
説明は、横隔膜挙上で、総合ベクトルが、水平方向に起き上がり、肢誘導で電位が低下する、です。
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しかし、COPD系で、総合ベクトルが真下を向いているはずなのに、肢誘導が Low Voltageである。。。。
よく説明できないことが、よくあります。
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「このように、うまく説明できない事は、心電図ではよくあることで、いちいち気にする必要は、ありません。」
これも、お師匠様が教えて下さったことです。
=コピペ終了=
じゃあ、実際どうなのよ。心電図は、上記診断の役に立つの?立たないの? ハッキリして~。
これって、議論じゃなくて、実例をいろいろ並べるしかないと思います。
私の結論は、
【 Low Voltageは、なんらかの異常の気付きになる、事もある 】
【 Low Voltageの原因が分からない(・_・?)でも、あんまり気にしない 】
【 Low Voltagに明らかな原因がある場合、心電図の助けを借りなくても、だいたいは気付く 】
【 Low Voltageになりそうでも、ならない例が沢山ある。。 】
となります。
Low voltageに鋭敏な反応は、殆どしない。
では、次回より実例提示です。