ECG-267:answer(2/2)
本当に、心電図は高Ca血症の診断に役立たないのか?この症例では、再度の心電図記録を行いました。X+3dayです。
どうでしょうか?
なんとなく、QT時間が異なる(延長した)ことが、分かりそうですね。
QT短縮の場合、ST部分が無くなる感じなんですね。
この違いが分かりやすいのは、高Ca血症時(at ER)と、その改善時のHRが60bpm前後と、頻脈で無く揃っていることなんです。今回、気付きました。
高Ca血症で搬入される時は、脱水で交感神経は興奮し、けっこう頻脈です。心拍数で補正するQTc時間も、60bpmからずれるほど、当てにならなくなります。
この症例は、血清Ca値=17.8mg/dL・HR=54bpm
と、QT短縮が分かりやすい条件が、ERで揃っていました。
高Ca血症を心電図で疑うことがリーゾナブルだよね、と思える心電図に、やっと出会えました。(今まで、単に気付いていなかっただけかも、しれませんが。。)
なお、X+3dayの心電図は、血清Ca値が10.2mg/dL→8.6mg/dLと変化した間の日に、記録されています。