ECG-267:answer(1/2)
80才代の女性で、気分不良でした。
頻脈でもない。不整脈もない。何もない。。
一見、普通の心電図です。
心電図が、何か教えているのでしょうか??
あんまり教えてくれてない気がしますが、QT時間に着目してみましょう。
クリックすると、ECGが拡大します。
QT短縮と云うと、高カルシウム血症ですね。(原因不明・遺伝的因子のあるQT短縮症候群=VT,Vfリスク=がありますが、これはまた別のお話。)
この症例は、うん・QT時間短縮しているね。と思えます。QT時間の短縮は、現実的にはST部分の短縮(省略)の結果です。
この心電図記録時は、
血清Ca値=17.8mg/dL 補正Ca値=18 でした。
もし、高Ca血症のための変化ならば、治療により高Ca値が改善すれば、心電図波形は変化するはずです。
血清Ca値=10.2mg/dLとなりました。その時(X+2days)の、心電図です。
あれ、あんまり変化ないですね。困りました。
前回との大きな違いは、心拍数です。QTcは、心拍数で補正された値です。そうしないと、比較できないんです、と教えられます。
でもですね、心電図も見た瞬間に、これは高Ca血症だ!とピンと来ないと、心電図の意義ありません。
QT時間を変容する因子が多すぎるんですよね。
心拍数・性別・年齢・基礎疾患・人種・他の電解質異常など。
う~ん。典型的な高Ca血症の心電図を手に入れた!と、思ったんですけどね。
To be continued.
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