ECG-286:answer
80才代の女性で、収縮期雑音を呈していました。
心雑音のみで、AS(大動脈弁狭窄症)を、強く疑いますね。超高齢者の動脈硬化性ASの場合には、毎年0.1cm2くらいづつ弁口面積が減少するようです。弁口面積が1.0cm2以下でASの症状は始まるので、数年でかなり危ない状況となります。
と、ここまで、ECG-230のanswerのコピペです。
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この症例での3年間での心電図の経時変化図です。
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クリックすると、ECGが拡大します。
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どうでしょうか?
CRBBB / LADではありますが、特に変化有りませんね。
LVHを示す所見も・・・ないです。
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心エコー図を、見てみましょう。
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LV-Aoでの圧格差を、CWで測定しています。
測定のスケール表示(m/sec.)に注意して下さい。
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3 年前は、PGは多めに見積もって、4.0m/sec. → 60mmHg程度の圧格差です。
今回は、PGは 5.0m/sec.を超えてます。 100mmHg以上の圧格差です。
明らかなASの進行です。
本来、3年前の段階で外科的介入を考慮すべきです。もちろん、論議しました。本人のPS、認知障害、家族の希望を考慮し、静かに見守りましょうとなっていました。
心不全発作を起こしても不思議はないのですが、幸い守られた環境下で安定を得ております。今回も、施設に帰園となりました。
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【 理学的所見でASを疑ったら、心電図所見の程度に関わらず心エコーでの精査をすべし 】