heart2019改 の ECG-001 〜 ECG-315 まで移転です。

Cardio2012のECGブログ(from ココログ)よりのインポートです。

ECG-037:answer

 ECG-037:70才男性。外来患者さん。ACS・LADへのPCI 後です。

 陳旧性前壁中隔梗塞後、となります。

 036と異なるのは、

*基本的に、LVH(左室の high voltage) がない。

*T波の陰転部位が、主にV1-4である。(V5もちょっと陰転ですが)

*しかし、r 波は、V1-4もしっかりある。

 今回の陰性T波は、いわゆる冠性Tです。

 LAD領域ですので、V1-4で変化します。LADの虚血心筋の反映です。

036の症例は、左室肥大(HOCM)の結果としての陰性Tなので、V4-6主体で、しかも高電位です。

 小さいながら、r 波がしっかり残っているのは、PCI の成果と考えたい。残存心筋の反映です。これくらい心電図がよいと、左室機能はかなりよい。と普通考えたいのですが、この症例では、次の心エコー像のように、けっこう心室瘤化しておりました。2001年のエコーです。

この心エコーを見て、心電図から左心機能予測できないのを、心電図の限界と考えないで下さい。心電図とは、そんなものなんです。定量性を求める方が、無理と云うものです。